新居を購入し、いざ引っ越しを控えるとなると、知らない人が住んでいた家に住むことへの抵抗感が生まれる方も少なくありません。

そのような際に行う手段として、家に残る気などを浄化する「お祓い」があります。

そこで記事では、

・住宅購入に関するお祓いの方法
・お祓いの具体的な内容
・祈祷との違い

など、お祓いの疑問について詳しく解説します。

住宅購入したときのお祓いとは?

一般的に住宅購入をしたときに行うお祓いには、「家のお祓い」「厄払い」「車祓い」の3つが挙げられます。

お祓いとは、病気や怪我などにより不運が続いたときに、けがれや厄災を取り除くために行われる行為のことで、古くから神事の一つとして行われてきた風習です。

また、その身に起こった不運に対するお祓いだけでなく、日常的に使用する家や車などを購入した際にも「物に集まった邪気などを清め安全を願う」という意味で、お祓いを行うこともあります。

お祓いの種類

住宅購入にともなって行われるお祓いには、新築住宅の工事に合わせて行う「地鎮祭」「上棟祭」「峻工祭」のほか、家に対するお祓いとして「家祓い」が挙げられます。

地鎮祭とは工事前に安全な工事や家の無事を祈願するため、上棟祭とは工事中に順調に進む工事への感謝と今後の工事と家の無事を祈願するために行うものです。

また竣工祭は、工事完了後に家の発展と安全を祈願するために行われるお祓いです。

一方で家祓いとは、新築・中古を問わず新居の入居前に行うお祓いで、家が背負っている邪気や霊的なものを清め取り除くために行われる神事となります。

お祓いの目的と効果

住宅購入をしたときにお祓いを依頼する方の多くは「新居で安心して生活するため」という目的で行うケースがほとんどです。

とくに中古住宅を購入した場合には、前の住人の気配を気にする方も少なくありません。

住宅自体にトラブルがなくても「気持ちよく入居できるように」とお祓いを依頼する場合が多いです。

お祓いは住宅購入にあたって義務づけられている行事ではありません。

しかし、お祓いをすることによって今後の生活に対する不安が解消できることを考えると、心理的な効果は大きいといえるでしょう。

お祓いとご祈祷の違い

お祓いと聞くと「ご祈祷」を思い浮かべる方もいるかもしれません。

お祓いとご祈祷は同じように聞こえますが、実は行う目的やタイミングには違いがあります。そこで、お祓いと御祈祷にはどのような違いがあるのかについても詳しくご紹介します。

目的の違い

お祓いとご祈祷はどちらも神事として行われる行為です。
しかし、それぞれの行為には異なった目的があります。

お祓いとはさきほども解説したとおり、不運が続いたときに不浄を取り除き清めるための行為をいいます。

一方で、ご祈祷とは神様や仏様にお願いをする行為をいい、お祓いのように人や物に対し厄災やけがれを取り除くという目的では行われていません。

タイミングの違い

お祓いとご祈祷は目的と内容が異なるため、行う順番には注意する必要があります。

厄払いなどでお祓いとご祈祷どちらも行う場合は、お祓いをの後にご祈祷という順番になります。なお、お祓いやご祈祷を行うタイミングは「家の気を祓い快適な暮らしを願う」という意味では入居前に行うのがベストです。

お祓いが必要なケース

住宅購入にともないお祓いが必要になるケースはそれぞれです。

そこで、以下では新築一戸建てと中古住宅を購入した場合において、お祓いをするメリットについて解説します。

新築一戸建てを建築する

念願のマイホームとして新築一戸建てを建てることは、人生において一大イベントともいえるでしょう。そのため、新築一戸建てを建てるにあたって安全な工事と家の無事を願って行う「地鎮祭」は、建築現場でよくみられる風景となっています。

地鎮祭を行うメリットとしては、建築予定の土地を祓い清め、土地を守る神様に土地の使用と安全な工事を祈願することで、安心して建築を始められるでしょう。

また、新築一戸建てを建てるまでには多くの工事関係者が出入りしていることから、建築に携わった人の気を祓うために入居前にお祓いをするケースもあります。さらに建売販売で地鎮祭などが執り行われていない新築住宅でも、入居前にお祓いをすることがあります。

中古住宅を購入する

中古住宅は言葉どおり中古の物件となるため、いくらリフォームで室内が綺麗になったとしても「前に住んでいた人の気配や気が残っているのが気になる」という人もいます。

そうした場合には「入居前に家に残る気を祓い清め、新生活を気持ちよくスタートできるように」といった思いを込めてお祓いを行うとよいでしょう。

また、中古住宅の場合、建築された当時にきちんと地鎮祭が行われていたのかということがわからないこともあります。地鎮祭が行われたかが不明な場合には、改めてお祓いをすることで安心した気持ちで入居できます。

お祓いは気の持ちようと言われることもありますが、お祓いを行うことで晴れ晴れとした気持ちで入居できるなら、日々の暮らしにプラスに働くのではないでしょうか。

お祓いするときの方法と費用

普段あまりお祓いに馴染みのない方にとって、実際にお祓いをしてもらうときの方法や費用には疑問が多くあるはずです。

また、時間や金銭的余裕のない方にとっては、自分でできるお祓い方法があれば知りたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、以下ではお祓いを依頼する場合と自分で行う場合の方法について、またお祓いを依頼する場合にかかる費用とお祓いのマナーについて詳しくご紹介します。

近くの神社に問い合わせ

お祓いをするときは、神主に執り行ってもらうことになるため、まずは近くの神社に問い合わせて、家のお祓いに対応しているかを確認してみましょう。

神主を家に呼んでお祓いをする際の費用は神社によってそれぞれですが、一般的な相場は約2〜3万円となります。ただし、格式の高い神社の神主に執り行ってもらうお祓いでは、費用は5万円以上となることが多いです。

不動産会社に相談

新築一戸建ての建築開始にともない、家づくりの慣習にならって地鎮祭や上棟祭を執り行いたい場合は、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

不動産会社は多くの住宅建築を手掛けていることから、馴染みの神社や近場でお祓いに適している神社を紹介してくれることも多くあります。

不動産会社からの紹介であっても、お祓いにかかる費用の相場は神社に問い合わせて執り行う場合と同じく、約2~3万円となります。

自分でお祓いするには?

神主を呼んで立派なお祓いをしなくても、自分でお祓いができるならそのほうが簡単でいいという方もいるかもしれません。

そのような場合に自分でできる簡単なお祓い方法として「建物の四隅に盛り塩を設置する」という方法があります。盛り塩とは、お清めの効果がある塩を小皿にのせ、建物あるいは室内の四隅に設置することで家を浄化するお祓い方法です。

盛り塩でお祓いをする際は、神社で祈祷された塩もしくは精製されていないあら塩を使用します。よりお清めの効果を高めたい場合は、盛り塩のうえから日本酒をまくとよいでしょう。

お祓いするときのマナー

お祓いは人や物に対してけがれや厄災などの不浄を取り除くための神事となるため、失礼のない服装で参加することがマナーとなります。

男性ならスーツにネクタイ、女性ならスーツやワンピースというように、お祓いをするときはフォーマルな服装がのぞましいでしょう。

まとめ

お祓いと聞くと、事故物件などに憑りつく霊的なものに対して行われる神事という印象をもつ方もいるかもしれません。

しかし、実際はお祓いはさほど特別なことではありません。厄年の方が神社で厄払いをするように、人だけでなく家や車などの物に対してもお祓いはごく一般的に行われています。

最近は、新築住宅だけでなく中古住宅を購入される方も増えており、新しい生活を安心してスタートするためにお祓いをしておこうという方も多いです。

お祓いをする際の費用もさほど高くないため、近々引っ越しを考えていて、今後の生活への安心感を得たいという方は、近くの神社あるいは不動産会社にお祓いについて問い合わせてみてはいかがでしょうか。